アメリカの強さを哲学で解く

第45代トランプ大統領が誕生した。

本人の資質に問題が大いにありと言われているが、アメリカという国自体にはまだ力がある。国内総生産等の経済力、軍事力、ノーベル賞獲得数、オリンピックのメダル数、映画や歌、興行などハイレベルだ。

これらの要因は何か? 単に移民の国と言うだけではオーストラリアなど他国にも相当する。キリスト教と言うのも同様。では自由の国だからか?

実は見過ごされがちだがアメリカが台頭した19世紀後半から、この国ならではの哲学が大きく影響していた。

それが、チャールズ・サンダーズ・パースが唱えた「プラグマティズム」である。哲学史ではパースの他、ジェームズ、デューイなどの名前が後に連なる。

さて、パースの本を読むと、18世紀イギリスの哲学者で多方面に強い影響を与えたヒュームを想起させるくだりがある。

ヒュームの有名な「観念連合」という哲学の場合、「肖像画を見て本人を思う類似の連合」、「キセルを見て本人を思う近接の連合」、そして「煙を見て火を思う因果の連合」の3つがある。(ここから中世スコラ哲学の教条主義や呪い、精霊の仕業等がただの観念連合に過ぎないと粉砕され、より確かな観念連合のため実験科学の台頭や議会制民主主義、市場競争経済、さらに認識全般を見直すカント哲学へと影響し、20世紀になってもアインシュタインの相対性理論に影響した)

しかし、更にパースの場合、観念連合は全て「判断の連合」だと言うのだ。確かに、肖像画を見て本人と判断し、キセルを見て本人と判断し、煙を見て火だと判断している。連合が頭の中にあるとしても、類似、近接、因果は外部に表出する時の3パターンに過ぎないと。

パースはこのように、人間の中ではなく外の方を重視した。そして、「解釈者、記号、対象」という記号の3項関係をまとめあげ、記号論の創始者にもなった。

記号論で全てを見直していくと、言論の究極にある真実というものもまた見方が変わってくる。真実も記号の1つになるが、真実として価値のあるものとするためには、「道具として有用でなければならない」。

これが、プラグマティズム(道具主義)の骨子である。

アメリカでは哲学をこのように捉えたため、使える真実に敏感になり、使えない真実はヨーロッパのように残したりせず廃棄した。モンロー主義で一時は孤立を選んでも、必要とあれば果敢に戦争に参加し、ゼロ戦が優位と見るや同タイプの戦闘機を増産し、また空母や爆撃機を使用した。原爆すらも道具となった。

アメリカを象徴するコカ・コーラも製法を特許申請せず秘伝とし続けるのも、公開されて世界が真似しないための現実的知恵と言われる。

ただ現状では、パースを創始者とするプラグマティズムは、特に哲学の俎上に上がらなくなった。出てきた当初は道具的真実が新鮮で他哲学と比較して優位と思われていたが、寡黙で変わり者の(ヤンキーっぽくない)パース没後、徐々に忘れ去られてきているのか。

本サイトのツインサイバーシステムでは、同じく「使える知恵」を重視する。ただ使える知恵が使えなくなる時がある点も考慮するし、目的値通りの実現値を得られないあらゆる外乱を解決する知恵を重視する(上図)。

したがって、トランプという人を道具として選んだりせず、思想哲学の変更切替を論じるべきと思う。

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